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澁川良幸
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よくいただく質問をQ&Aにいたしました。

不貞について 不貞を証明するにはどうしたらよいか?
  不貞を一度許していたら離婚できないのか?
  自分の側に不貞があるが相手にも破綻についての原因がある場合は?
  破綻後の不貞で離婚はできなくなるのか?
  不貞行為の相手方に対する慰謝料請求は?
子どもについて 親権者が子どもを虐待していることが分かった場合はどうすればよいか?
  養育費の額や支払方法はどのように取り決めたらよいか?
  子どもの親権者を決めるにはどうしたらよいか?
  別居するときに子どもを連れていくべきか?
  子どもの養育のためにも自宅に住みつづけるには?
  別れた親との面接交渉を子どもが嫌がる場合は?
  再婚した後も子どもの養育費を支払い続けなければならないか?
財産分与について 退職金も無形財産も対象になるか?
  財産分与の対象外となるものとは?
  不動産を分与する場合に注意することは何ですか?
  財産分与にかかる税金について教えてください
  将来財産の財産分与-年金、退職金
  将来の所得能力をどう評価するか
その他 暴力を振るう夫と早く離婚したいのですが?
  別居中の生活費はいったいどうなるの?
  夫がマザコンだという理由で離婚できるか?
  いったいヘソクリは誰のもの?
  どの国の法律で、どの国で裁判するのか?
  婚約を一方的に破棄された場合、慰謝料を請求できるのか?
  離婚届を出す前に離婚の意思が変わった場合は?
  離婚後の生活は?
  離婚と自宅のローンは?
  家庭内別居は別居とみなされるか?
  性の不一致(性交拒否)は離婚の理由になるか?
  夫が仕事人間である場合にも離婚請求は可能か?




不貞について


Q 不貞を証明するにはどうしたらよいか?
  夫には女性がいるようです。無断の外泊がときどきあります。定期入れから避妊具が見つかったこともあります。しかし、夫に問いただしても「何もない」といいはり、けんかになるため、いつも夫婦間はぎくしゃくしています。離婚を考えるようになったのですが、夫の不貞は認められるのでしょうか。
A 不貞が、認められるか否かは、あなたの集める証拠次第です。
  ただし、不貞の証明ができなくても、夫婦としての信頼を維持できないような貞節ではない行為があれば、民法七七〇条一項の五号の「婚姻を継続し難い重大な自由」があるとして、離婚が認められることがあります。

不貞とは
配偶者の不貞行為は、当然のことですが離婚原因になります(民法七七〇条一項)。しかし、判例が認める不貞行為の意味は意外と狭く、性交渉を持つことに限定しています。ですから、キスしただけであるとか、肉体関係は持たないが特定の異性に好意を持ち、手紙の交換を続けている場合などは、不貞とはいえないことになってしまいます。
しかし、実際には、これらの行為によっても、配偶者は非常に傷つき苦しめられます。そして、心が離れて離婚したいとまで思うに至ることがあっても当然です。そこで、こういった不貞とまではいえない行為を繰り返している場合には、一号の不貞にはあたらなくとも五号の「婚姻を継続して難い重大な事由」に該当するとして離婚が認められます。また配偶者が同性愛者である場合にも、判例は離婚を認めています。
不貞の証明は
相手が不貞を否認している場合に、裁判で不貞があると認められるには、ある程度はっきりした証拠が必要です。とはいっても、ベッドの中まで乗り込むことは通常不可能ですから、二人でホテルの一室に宿泊した証拠がある場合、手紙などから性関係があることが読み取れる場合、写 真から二人で旅行したことがわかる場合などには、不貞が認められています。
何の証拠もないときには、尾行調査によって証拠が集められる場合もあります。いったんは不貞を認めていても、いざ離婚の話になると何もなかったと態度を変えることもありますから、証拠はなるべく残しておいたほうがよいでしょう。証拠が不十分でも離婚は認められることがあるのは先に述べたとおりですが、離婚だけではなく慰謝料も得たい、財産分与も有利に進めたいというときには、はっきりした不貞の証拠があったほうが有利です。





Q 不貞を一度許していたら離婚できないのか?
  四年前に夫に不貞が発覚し、別れようと思ったのですが、二度としないと謝られ、子どももいるので許しました。夫は女性と別れたようですが、それ以来、私のほうにもわだかまりができて、しっくりいかなくなり、最近は顔を見るのも苦痛になってきました。不貞は一度許していたら、それを理由に離婚はできないのでしょうか。
A 離婚できないということはありません。
  実際の裁判では、「いったん不貞を許したのだから不貞は離婚の原因にはならない」という主張がなされることが、ときどきあります。しかし、古い3〜40年前の判例は別として、最近では、そういった主張が判決で認められることはまずありません。

破綻しているかどうかが問題
離婚原因として、不貞(一号の原因)だけではなく、これに合わせて「婚姻を継続し難い重大な事由」(五号の原因)も主張すればよいのです。
裁判では、夫婦の生活の中で不貞があったことや許したことという一部のできごとだけで判断するのではなく、1)不貞に至るまでの経過、2)許した後二人の関係がどのようであったか、3)双方がどのように努力をし、あるいは努力をしなかったか、4)現在、夫婦の関係は回復の見込みのない程度に破綻しているか、という全体をみて、判断されます。
そして、現在、破綻していることを証明できれば、一度不貞を許しているケースでも、離婚は認められます。実際、多くの場合、人の気持ちはそんなに単純ではありません。一度は許しても、あとから尾をひいて、済んだことを何度も責めてしまい、時間をかけて破綻したり、あるいは不貞の事実が気になって性生活がぎくしゃくし、冷めてしまうというようなことはめずらしくありません。
ただし、相手が反省してやり直しを望み続けているような場合には、破綻が認められるにはある程度の別 居期間が必要な場合もあります。
なお、妻に不貞があり、夫はそれを許し妻も謝ってやり直しを試みたが、夫が死ぬ まで許さないなどと妻を責め続けたため妻が夫に対し生理的嫌悪感を持つようになり、子どもを連れて家を出て離婚請求したという事案で、妻からの離婚請求が認められています(東京高判平成4年12月24日判例時報一四四六号六五項)





Q 自分の側に不貞があるが相手にも破綻についての原因がある場合は?
  夫は勤労意欲に乏しく、働いたり働かなかったりで収入も不安定でした。短期で結婚当初からときどき暴力もありました。そんな夫がいやになり、他に好きな男性ができ、つきあっています。すでに別居もし、子ども二人も父親のことがあまり好きではなく私と暮らしています。夫は私の不貞が原因だといって頑として離婚を認めません。離婚はみとめられないでしょうか。
A 離婚が認められる可能性はあります。
  自分側に不貞行為がある場合でも、相手にも破綻について責任があり、どちらが主として悪いともいえないような場合には、離婚が認められるからです。

お互いの責任による
従来、破綻について「もっぱらまたは主として」原因を与えた者からは離婚請求ができないとされてきました。これを有責配偶者の離婚請求拒否の法理といいました。有責配偶者からの離婚請求も一定の条件のもとに認められることになりました。
しかし、これらとは異なり、双方に「同じ程度に」責任のある場合には、従来から離婚が認められてきたのです。
不貞がある場合、他方の配偶者は、鬼の首をとったように不貞のある側に責任があると主張しがちです。しかし、他の人に心が移るのもやむを得ないと誰もが考えるような行動が、不貞の以前に、他方の配偶者にあるようなケースは少なくありません。あなたの場合もこれにあたるといえるでしょう。丹念に、なぜ夫への信頼をなくしていったかを主張、証明すれば、責任は少なくとも五分五分であるとの認定を得られる可能性はあります。
ただし、責任が五分五分の場合には、どちらにも慰謝料は認められません。なお、それでも有責配偶者としてくくられてしまいそうな場合には、ある程度子どもが大きくなるまで時間を待ってから請求されるとよいでしょう。
和解に持ち込む方法もある
また、協議や調停ではどうしても離婚に応じてもらえない場合にも、離婚裁判を提訴すれば、裁判所で和解して離婚が成立するケースが少なくありません。提訴された事件のうち、四分の一以上が協議離婚をするという和解で終わっています。離婚できないとあきらめる必要はありません。








Q 破綻後の不貞で離婚はできなくなるのか?
  夫とは同居中にささいなことでけんかが絶えず、私のほうから家を出ました。その後、別の男性と知り合い、現在もつきあっています。不貞だと言われても仕方ないでしょうか。私から離婚を請求したら認められるでしょうか。
A 離婚が認められる可能性はあります。
  別居後に生じた婚姻外関係は、破綻の原因ではありませんから不貞とは言えません。

破綻後の不貞は認められない?
有責配偶者からの離婚請求は、一定の条件を満たさなければ、認められません。しかし、あなたの場合のように、すでに夫婦の関係が破綻した後に婚姻外の関係が生じたときは、その関係は破綻の原因になったものではないのですから、そもそもあなたは有責配偶者にはあたらず、婚姻外の関係のあることは離婚請求を棄却される理由にもなりません。
「破綻後である」と認定されやすいのは、すでに別居した後に関係が生じたケースです。別居していると破綻していたと認められやすいのです。しかし、判例には別居の前後のいずれに生じた関係であるかは微妙なケースでも、すでに家庭内別居の状態であったことを客観的に証明できるような場合は、破綻後の関係とされる可能性があります。
破綻を証明するには?
さて、あなたから離婚を請求する場合には、夫婦の間でけんかが絶えなかったこと、およびすでに別居しており夫婦関係が円満に回復できる見込みがないことが、「婚姻を継続し難い重大な事由」にあたると主張すればよいのです。結局、裁判では夫婦の関係全般をみて、回復の見込みがないほど破綻している場合には離婚が認められることになります。
他の人とすでにつきあっている場合には、そのことがむしろ、元の夫婦関係は回復の見込みはないと判断される要素にもなります。
ただし、もともと仲が悪かった配偶者であっても、相手に別 の人が現れれば嫉妬心が生じ、離婚を承諾しにくい心情になることはよくあることです。そういった相手の心情を理解しながら、行動したり説得なさったほうがよいでしょう。





Q 不貞行為の相手方に対する慰謝料請求は?
  夫が他の女性と浮気をしていることがわかり、離婚したいと思っています。相手の女性に対して慰謝料を請求することはできますか。
A 請求できます。

浮気相手に対する慰謝料請求
裁判所は、配偶者の不貞行為の相手方に対して、不法行為による損害賠償を請求する権利を他方の配偶者に認めています。
すなわち、夫が妻子と別居して他の女性と同居している事例において、妻から女性に対する慰謝料請求を認めました。なお、このケースでは、子どもたちからも相手の女性に対して損害賠償を求めたのですが、裁判所は、他の女性と同居したことと、父親が子どもの養育にかかわれなかったこととの間には相当因果 関係がないとして子どもたちからの請求を認めませんでした。また、一審判決は妻子双方に慰謝料を認め、二審判決はいずれにも認めなかったというふうに裁判所も意見が分かれていました。
最近では慰謝料請求を認めない考え方も
現在、諸外国では不貞行為の相手に対する損害賠償を認めない国が多くなっています。日本では考え方が分かれていますが、最近では不貞行為は配偶者の自由な意思が働いている以上、責任はその配偶者にあり、不貞の相手方の行為は不法行為にはあたらないとする考え方や、性の自己決定権を前提に責任を否定する考え方が有力になってきています。
当事者の中でも、相手方に賠償請求することにより、仕事や住居、子どものことなどを含めて前向きに生きていくことを重視する人が増えてきています。
また、婚姻関係破綻後(別居した後など)に性関係をもった場合には、法的保護の値する利益がないとして、配偶者からの慰謝料請求は、認められないとの判断がなされています。とは言え、結婚生活が破綻したことと、不貞行為の間に因果関係があるときはなにがしかの慰謝料を認めるのが現在の裁判所の態度です。金額はさほど高くなく、不貞行為が長期にわたる場合を除き、数10万円から200万円くらいの間が多くなっています。
なお、この権利は最後の不貞行為から三年経つと請求できなくなります。






子どもについて


Q 親権者が子どもを虐待していることが分かった場合はどうすればよいか?
  私は夫の激しい暴力に耐え切れず、離婚をしました。
小学生の子どもも連れて行きたかったのですが、夫は親権を渡すなら離婚しないと言い張ったため、やむを得ず子どもを残してきたのです。
最近夫の自宅の近所の人から連絡があり、子どもが食事も満足に食べさせてもらえていないようだし、夫に怒鳴られたり暴力を振るわれたりしている様子だと連絡をもらいました。私は今でも夫が怖くて、子どもに近付くこともできません。どうしたらよいのでしょうか。
A  

子どもの虐待
子どもが父親に虐待されている危険があります。平成12年11月に施行された児童虐待防止法(児童虐待の防止等に関する法律)によると、虐待には身体的虐待、心理的虐待、養育放棄(ネグレクト)、性的虐待があります。このケースでは、食事の世話をしない養育放棄と、暴力をふるう身体的虐待が疑われます。
虐待は、子どもの人権の著しい侵害であり、子どもの心身の成長に深刻な影響を与え、時には生命を奪うことすらあります。親権者といえども決して許されない行為です。
平成13年度、全国の児童相談所に通報された虐待件数は、2万3000件以上にのぼりました。平成12年度と比べても5000件増という激増です。虐待から子どもの保護、そしてその後の子どものケア、虐待をする親のケアを行うシステムが必要です。
日本では、厚生労働省、児童相談所を中心とする公的機関と、各地のNGOの連携によって、まだまだ不十分ながらも、少しずつシステムができあがってきているのが現状です。
虐待からの子どもの救出
児童福祉法に基づき、虐待を発見した人は、児童相談所に通 報しなければならないとされています。児童虐待防止法では、さらに医師、児童福祉施設職員、弁護士など、子どもの虐待を発見しやすい立場にいる者に、あらためて通 報義務を課しています。通報を受けた児童相談所は、状況を調査し、指導、助言、援助を行って虐待の解消に努めますが、子どもの身体生命に危険があり、緊急に親子分離が必要であると判断した場合は、立入調査を行ったり、一時保護を行います。
一時保護は、子どもを親もとから離して、児童相談所の一時保護所に入所させることを言います。
親が児童相談所の調査や一時保護に強硬に反対する場合には、警察官の協力を要請することもあります。一時保護の期間は、めどとして1〜2ヶ月程度とされています。児童相談所は、この間に、親子関係を回復させることができるか、長期的に分離するために、子どもを児童養護施設に入所させる必要があるかを判断します。施設入所が必要と判断された場合には、親権者の同意が必要です。
しかし親権者が同意しない時には、児童福祉法28条に基づき、家庭裁判所の入所許可の審判を求めるという手続きがとられます。最近各地で、この審判が申し立てられ、認容されるケースが増えています。
さらに虐待の程度が深刻で、今後子どもの親権者として行動することは許されないとみなされるケースでは、親族や児童相談所、検察官らから、親権喪失の申立がなされたり、離婚し別 居している親がいる場合には、親権変更の申立がなされることもあります。
まず児童相談所に通報を
あなたは、元夫の暴力が恐くて、自力では子どもを救い出せないですから、まず児童相談所に通報してください。
そして調査をしてもらい、状況が緊急性を要するようであれば、一時保護に踏み切ってもらうことです。
そのうえで、あなたが引き取って育てていける条件があるのなら、家庭裁判所に対し、親権変更の申立をして、児童相談所から子どもを引き取ることを考えればよいでしょう。親権変更の審判の結論が出るまでには時間がかかりますので、その間父親の親権を停止する必要があります。
その場合には、親権変更の申立と同時に、親権の一時執行停止、親権代行者選任の仮処分の申立をします。親権代行者が、子どもをあなたに暫定的に監護させるという方法も考えられます。元夫の反撃を防ぎながら、手続きを進めなければなりませんので、専門機関に相談することをお勧めします。
また、あなたが引き取って育てていくことはできそうもないということであれば、児童相談所は施設入所を決断するでしょう。
この場合、父親が同意しなければ、前述したように家庭裁判所の許可を求める審判が申し立てられることになります。
子どものケア、親のケア
虐待を受けた子どもの心の傷は、深いものがあります。救出をされただけで、回復するというものではありません。回復の手立てが施されないままですと、親からいじめられ、見捨てられたものとして、自分の命の大切さを感じられず、自暴自棄に陥ったり、心の病にかかったり、犯罪というかたちに暴発したりすることもあります。
また人間への信頼感が育たず、人間関係を持つのが困難で、結婚や子育てにも自身を失ってしまう危険もあるのです。日本では、虐待された子どもの心の傷を回復させる臨床心理士などの専門家の数も足りず、施設も不足している現状です。
さらに困難なのが、虐待をした親のケアです。子どもが児童養護施設に入所したとしても、親であることに変わりはなく、親子関係を再構築する必要があります。
しかし親の抱えている問題も深く、簡単に親の考え方や資質が変わるということもありません。自発的にカウンセリングなどを受けようという意欲がある場合には、まだ希望も持てますが、虐待自体を認めない親も多いわけですから、治療や指導にはなかなか応じるものではないのです。
またそうした親のケアのできる人材や施設も、まだほとんど用意されていないのです児童虐待防止法は、施行3年を経て、平成15年には見直されることになっていますが、この問題はその際にどうしても検討しなければならない大きな課題となっています。





Q 養育費の額や支払方法はどのように取り決めたらよいか?
  離婚の合意ができて、私が二人の子どもを引き取ることになりました。私も働いていますが、手取り収入は夫の半分です。夫は家を出て一人で生活するのだから物入りだ、養育費は払えないと言います。養育費はどの程度請求できるのでしょうか。子どもが成長して費用がかかるようになったときには、増額してもらえるのでしょうか。また、夫から確実に養育費を支払ってもらうためには、どうしたらよいでしょうか。
A  

親の養育費負担義務
親は、生活保持義務といって、未成年の子どもに対しては自分の生活と同程度の生活を保障する義務があります(民法八七七条)。自分の生活をまず確保して、余力のあった場合に他の親族の生活費を出すという扶養義務とは異なるのです。
離婚した親といえどもこれは免れません。したがって養育費の取り決めについては、子どもが成人に達するまでの間、それぞれの親の収入額に応じて、負担額を取り決めることになります。
養育費の金額
あなたとしては、二人の子どもの生活のために、毎月最低どのくらいの生活費が必要であるかを現実の生活に則して、細かく算出してみてください。その金額とあなたの収入から子どもの生活費として支出できる金額との差額を、夫から養育費として支払ってもらわないと生活できないわけですから。
その差額が請求の最低線ということになるでしょう。この計算に根拠があり、説得力のあるものであれば、夫との話合いにおいても、あるいは合意に至らず家庭裁判所の調停を利用することになった場合においても、金額を取り決めるときの現実的な基準のひとつとなるはずです。
養育費の支払方法
養育費は原則的には月決めで支払います。事情によっては一括払いという例もありますが、子どもたちの日々の生活費という意味では、受け取った側で他の用途に使用されないためにも、また同居しない親と子どもとのつながりを維持するためにも、月払いが基本とされます。
調停・審判の利用
調停で合意ができず不成立になると審判に移行します。この場合は裁判所は当事者双方の収入、生活費の実態を調査したうえで、生活保護基準方式、あるいは労研方式といった算定方式を用いて、生活費の負担額を算出します。実務では労研方式が多く使われているようです。
これは(財)労働科学研究所が東京都内における生活費の実態調査をもとに算出した総合消費単位 を利用して、算定するものです。ただし、審判は時間がかかってしまうことがあります。調停で合意できない場合でも、裁判所の調査官に調査してもらい、養育費を算定してもらうと、たいていの人は納得して合意ができますので、審判へ移行する前に調査官の協力を得るとよいでしょう。
なお、離婚裁判においていつから養育費の支払いを請求できるかについてですが、別居後単独で子の監護にあたっている当事者から他方の当事者に対し、別居後離婚までの期間における子の監護費用の支払を求める旨の申立があった場合には、離婚請求を認容するに際し、別居後の監護費用の支払いも命じることができるとする判例があります。
養育費の金額変更
いったん取り決めた養育費の金額ですが、その後の子どもたちにかかる費用の増加、両親の収入の増減、再婚などの事情により、増減する必要が生じることも当然です。当初予測した範囲での変化についての増減は認められませんが、教育費の値上がり、高額の医療費の必要性など、一方で当事者の失業など予想を越える事態が生じた場合には、養育費の見直しも必要になるわけです。
月額を増額させる場合もあれば、一時金を別途支払ってもらうこともあり得ます。この場合も当事者間で協議ができないときは、家庭裁判所の調停、審判を利用してください。





Q 子どもの親権者を決めるにはどうしたらよいか?
  夫と離婚の話合いをしています。夫は離婚には合意していますが、2人の子どもを自分が引き取り、夫の実母に手伝ってもらいながら育てると主張しています。私には経済力がないから無理だというのです。しかし7歳と10歳の2人の子どもは、私には「おかあさんと暮らしたい」と言いますし、私も子どもたちを夫に任せる気にはなりません。どうしたら子どもたちと暮らしていけるでしょうか。
A  

親権者とは何か
現在の日本の民法では、離婚に際して父母のいずれかを、子どもの親権者と定めなければならないということになっています。
親権者とは、子どもの養育看護、財産管理を行い、不動産の売買や裁判などの法律行為を行うときに法定代理人となる者です。親権は、子どもに対する親の支配権という意味ではありません。子どもの権利条約に明記されているとおり、子どもはひとりの人間として、その意志決定の自由や成長発達の権利を有し、親に養育される権利を保障されています。
この子どもの権利に対応して、親には養育の責務があり、これが民法では親権として定められていると解釈されるべきです。しかし親権という言葉や概念には、子どもを親の所有物のように考える日本の昔からの親子観がいまだ色濃く反映しており、根本から検討され直す必要があると思います。
親権者を決めるときの条件
現行民法においては、婚姻中は、父母の共同親権が行使されていることになっているのですが、離婚した後は、どちらか一方を親権者と定めなければならないと要求されています。親権者の決定にあたっては、子どもの意思をまず第一に考え、そして次に、現実に毎日子どもの養育にあたるのに適切なのは、どちらの親かという条件を判断しなければなりません。経済的な問題は、養育費の負担という形で解決ができるのですから、親権者の決定にあたっての重要な条件ではないのです。
あなたの場合、子どもたちが母親との生活を望んでいることが確かで、あなたもそれを望んでいるのであれば、子どもの意思を尊重すべきです。しかも夫の本意が、自分で責任をもって子どもを養育するのではなく、自分の母親をあてにしているようなものなのであれば、なおさらです。
第一次的な養育責任は親にあるのであって、それを果たし得る当事者がいるときに第三者に養育を任せるということは考えられません。夫にその点の理解を求めてください。
親権者についての合意ができない場合
夫がどうしても同意しない場合には、協議離婚はできませんから、家庭裁判所に調停を申し立てることになります。
それでも親権者についての合意が図れない場合、家庭裁判所が審判という形で結論を出すこともあります。
それもできなければ、地方裁判所へ離婚の裁判を申し立てることになります。あなたの場合、裁判所があなたを親権者と認めないということはまずないと思います。





Q 別居するときに子どもを連れていくべきか?
  私は夫との離婚を決意し、何度か話し合いました。しかし、夫は「出ていくのはかまわない。子どもは置いていけ」と言って譲りません。もう一日たりとも夫とはいっしょにいたくないのですが、子どもとは別 れられません。もし子どもを置いて出たとすれば、後で子どもを引き取ることや、親権者になることはできないのでしょうか。
A
とりあえず子どもと別れて一人で別居し、後で子どもを引き取ろうと考えても、それまでに父子の生活が落ち着いていれば、引き取りは難しくなるでしょう。また夫婦間での協議がまとまらず裁判所で親権者を決定する際にも、幼児の場合はまた母親の養育を相当とするという判断がなされることも多いですが、子どもの年齢が高くなればなるほど、現状の養育状態を維持するという方向で判断される傾向があります。また今後は、子どもの意思が重視されていくことと思います。

まず子どもとの話合いを
あなたが今後の人生を子どもと共に歩んで生きたいと願っているのなら、まず子どもと十分に話し合ってください。子どもの年齢にもよるでしょうが、4、5歳にもなっていれば、表現を工夫することで、父母がいっしょに生活していけないという状況、母親としては子どもとは決して別れたくないと思っている気持ちが伝えられると思います。その際には、子どもは父母という自分の根を引き裂かれることになるという事態に、どれほどつらい思いをするかということに、十分思いをめぐらせてください。子どもにとっては、父も母も自分の存在を支えてくれる礎なのです。その一方と離れてしまうということはどれほど不安なことでしょうか。母親としては、子どものつらさを理解すること自体がつらいことかもしれませんが、あなたと子どもは全く別の人間であり、あなたとは別の感情や意見を持つ存在であるということをくれぐれも忘れないでください。そのうえで、あなたが別の場所で子どもといっしょに暮らしていきたいと考えているビジョンを示し、今後の父親と子どもとの関係についても安心させて、子どもがあなたといっしょに暮らしていくことを望むかどうかの気持を確かめてみてください。子どもがこれに同意できるなら、子どもを連れての別居も積極的に考えてよいのではないでしょうか。
別居に向けてもう一度夫と話合う
次に夫ですが、夫が離婚後、子どもたちを本当に自分の手で育てたいと主張しているのだとしたら、夫の態度はもっと冷静であるはずです。そうではなくて子どもを人質にとるような言い方をするということは、つまり夫はあなたが真剣に離婚を決意しているということを理解していないでしょうし、認めたくもないのでしょう。そうだとすれば、一方的な別居に踏み切る前に、あなたが離婚を決意した理由を夫に理解させる努力をもっとしてみてください。
そして自分の気持や互いの気持ちを見つめて整理するために別居をしたいこと、同居のままでは離婚に向かっての冷静な話合いができないことなどを伝えて、別 居が必要であることをわかってもらいたいですね。
夫があなたの決意の固さを認識し、やり直しはきかないと納得すれば、穏便な形での別居が実現するかもしれません。子どもにとっては、父親の目を盗んで家出のような形で別 居することになれば、非常につらい記憶となって残るでしょう。できる限りそのような事態はさけたいものです。
別居を強行したとき
もちろんそのような話合い自体が無理であり、暴力的な対応が予想されるという状況もあり得ます。友人や親族などの第三者を交えての話合いを工夫するなどの方法もあるかとは思います。しかしそれすら難しいというときは、別居の強行がやむを得ない場合もあるでしょう。そのようなときには、別居後速やかに第三者を通じてでも夫との協議に入ってください。そしてこれまでの生活圏を離れ、父親と別れる子どもの心のケアも大切にしてください。
子どもを置いて別居したとき
経済的事情から子どもを連れて別居ができないという場合は、最初に述べたとおり、子どもの引き取りや親権者となることをあきらめざるを得ないこともあるかもしれません。その場合は面接交渉の実現を図るという方向で考えていくしかないと思います。




Q 子どもの養育のためにも自宅に住み続けるには?
  夫と離婚したいのですが、自宅を出ると住むところがありません。財産分与でもらうのは無理でも、せめて子どもが成人するまで住めるようにしてもらいたいのですが、可能ですか。
A
夫が承諾すれば、賃貸権などの設定をしてもらい、住めるようにすることは可能です。自宅が夫名義になっていても、財産分与としてもらうことが可能ならば、住居を確保できると大いに助かりますから、交渉してみましょう。

財産分与としての自宅の取得
どうしても夫が自宅の分与に応じない場合は、調停または裁判になりますが、結婚期間や財産形成への寄与度(どの程度貢献したか)を総合して判断しても、自宅を完全に取得することが難しいときは、多少の対価を夫に払って完全な所有権を取得するという方法もあります。
賃貸権などの設定による居住
対価を支払うことが難しいという場合には、子どもが成人するまで夫との間で賃貸借契約または使用賃借契約を結んで、居住するという方法がよいかと思われます。賃貸借では毎月一定の賃料を夫に支払う必要がありますが、使用賃借であれば無償で居住できます。裁判例でもこのような賃貸借契約を認めたものがあります。
子どもを育てる側が住める配慮を
特に子どもがいるときは、子どもに離婚の影響を極力与えない配慮が必要です。離婚後も、子どもが転校などしないで引き続き今までの住居に住めることが、もっとも望ましいと言えましょう。
したがって、住居は原則として子どもの親権者となる配偶者が取得することとし、もし取得できないときは前記のように住居として使用できる権利を設定することをルール化するべきでしょう。




Q 別れた親との面接交渉を子どもがいやがる場合は?
  夫が子どもとの面接交渉を強く希望したので、調停で離婚するときの条件として1ヶ月に1回は子どもを会わせるということを了解しました。しかし、子どもは父親のことを話題にもしませんし、会うのは面倒だと言います。父親は、私が会わせないように仕向けているのではないかと疑っているようです。私は子どもを無理に説得してまで父親と会わせる必要もないと思うのですが、どうでしょうか。
A  

面接交渉はまず子どもの権利
面接交渉はあくまで子どもの権利です。ですから子どもが父親のことが嫌いで、本当に会いたくないといっているのであれば、無理やり父親に会わせる必要はありませんし、会わせることもできません。離婚に至るまでの間に、父親との間でよほど嫌な思いをしてきたとか、思春期の子どもなどであれば、親に対する批判や嫌悪感を持つようになり、会って話をするのも嫌だという時期もあるかもしれません。
子どもが会いたくないという理由をきちんと聞く
そういう状況があるわけでもないのに、会うのが面倒というのだとしたら、その理由を一度きちんと聞いてみてください。もしかしたら会いたくないほど父親が嫌いだというのではなく、父親に会いに行くたびに母親が寂しそうな、あるいは不快な表情を見せることに耐えられないとか、面会中に父親が母親の様子などを聞き出そうとするのが嫌だというような理由があるかもしれないのです。
子どもとしては純粋に父親と楽しい一時を過せるなら、そのほうがよいのだけれど、そこに両親の離婚の影がいまだに引きずられて、自分が巻き込まれてしまうのは面倒くさい、それなら会わないで平穏無事に過したほうがいいと思っているのかもしれないのです。
面接交渉の実現は双方の責任
もしそのような理由があるとしたら、これはそれぞれの親の責任です。母親は前夫としての父親への感情を整理して、子どもが父親と楽しんでくることを喜べるようにならなければならないし、父親は子どもが触れてほしくないと思っている母親のことには、もう関心を払わないようにしなければならないということです。
そうすることが、離婚により、両親に育てられる権利を子どもに保証しきれなかった親の義務であり、子どもへのせめてもの償いだと思います。
どのような理由にしろ、子どもが直接父親に理由を説明できることが一番ですが、それがまだできない年齢であれば、母親が代弁して伝えるしかないでしょう。そしてその理由の除去のために双方が努力すること、あるいは子どもの気持がまた父親に向かって開く時期を待つことが必要だということになります。





Q 再婚した後も子どもの養育費を支払い続けなければならないか?
  子どもを妻が引き取って離婚しました。私は決められた養育費を毎月支払っています。最近先方が再婚しました。私は養育費を払い続けなければならないのでしょうか。またもし私のほうが再婚し、子どもが生まれて生活費がかさむようになった場合、養育費の支払をやめることができますか。
A  

元の妻が再婚したとき
元の妻が再婚したということだけでは、養育費の支払を中止する原因にはなりません。子どもの父親は相変わらずあなたであって、再婚相手ではなく、子どもの生活保持義務を負うのも相変わらずあなたであるからです。先方から養育費の送金は中止してほしいというような要請でもない限り、ただちにあなたのほうで支払をやめることはできません。
しかし子どもと再婚相手が養子縁組をするというような状況になれば、養親にも法的に子どもの生活費を負担する義務が発生します。また再婚相手が経済力のある人で、妻の生活程度が格段に上がるというような状況であれば、あなたのほうから養育費の減額を要請してみてもよいのではないでしょうか?
元の夫が再婚したとき
あなたが再婚した場合は、さらに子どもが生まれた場合、前妻の側の収入に変化がないとすると、事態は深刻になります。あなたの収入では、現在の家庭を支えていくことがやっとで、養育費を支払い続ける余裕がなくなるということも考えられるわけです。
法的には、あなたは現在の妻との間の子どもに対しても、前妻との間の子どもに対しても生活保持義務を負うのです。どちらを優先させるかも難しい問題です。判例は、同居している側を優先させているの が実情です。
とにかくまず協議してみるしかないでしょう。そしてどうにもならなければ、いずれかの家庭で生活保護などの受給を考えるしかないということになります。いずれの場合でも、協議ができないときは、家庭裁判所の調停を利用してください。




財産分与について
財産分与の対象となる財産について知っておこう
預貯金や不動産などたいていのものは分与できる


Q 退職金も無形財産も対象になるか?
A
財産分与の際、清算の対象となるものは以下の通りです。
このうち、退職金(あるいは退職年金)に関しては2〜3年で定年を迎えるケースでも財産分与の対象となりますが、対象となりますが、退職前のケースでは退職金が支給されるかどうか、いくら支給されるのかが確定していないので、ケース・バイ・ケースになってくるといえるでしょう。
医師や会計士・弁護士のような、一般的に収入の多い仕事で相手の収入に支えられて資格を取得したという場合、これを無形の財産と評価して財産分与の対象とされることがあります。
  ・預貯金(解約時にお金が戻ってくる生命保険を含む)
・不動産
・有価証券/投資信託
・ 会員券
・価値の高い美術品や骨董品
・電化製品/家具(ただし新品レベルでなければ経済価値はない)
・退職金
・医師や会計士・弁護士などの資格





Q 財産分与の対象外となるものとは?
A
原則として、結婚前に既に自分で貯めておいた預貯金や結婚前に実家からもらってきた財産は、それぞれの固有財産と認められ、財産分与の対象外になります。
ただし、2人で生活していた間の不足分を、どちらかの一方の(結婚前の)蓄えでまかない、片方の結婚前の預金はそのまま使わずに残しておいたという場合は、その残った預金は清算の対象になる可能性があります。
相手の協力があって自分の固有財産を使わずに維持できたような場合も同様です。
結婚前あるいは結婚中に自分の実家の家族から相続した財産や結婚中に自分の名義で得た財産についても、現金にした際の金額によっては清算の対象とされることがあります。
たとえば50万円で買ったエルメスのバッグは固有資産とみなされても、1,000万円で買ったベンツは分与の対象とされてしまいます。
共働きの場合は財産分与は2分の1が基本
共働きした夫婦が離婚した場合では、「すっぱり半分に分けるべき」という考え方と「財産を築くためにどの程度寄与したかに応じて分けるべき」という考え方に分かれているのが現状ですが、二人の収入にいちじるしい差がない限りは、2分の1ずつ分配するというのが原則になっています。
もちろん、夫の名義で購入した不動産も、基本的に二分することになります。
結婚後も専業主婦にならずに働き続ける女性が増えていますが、必要な生活費をそれぞれで折半して負担し、2人がそれぞれに残ったお金を蓄えた場合の貯金については、固有財産扱いとなります。
また、夫が社長で妻が従業員であった場合は、会社の経営規模によって違ってきます。
小規模な個人経営レベルならば、「会社の財産」ではなく「会社名義の夫婦の財産」とみなされて清算の対象とされ、妻の取り分は、会社経営に対する貢献の度合いによって決まってきます。
専業主婦の場合の財産分与は一般的に少ない
専業主婦の場合も、夫婦平等を基本として財産は半分ずつであるとする考え方もありえます。
しかし、過去の例を見る限りにおいては、専業主婦の妻の取り分は20%程度であることが多いといえるでしょう。





Q 不動産を分与する場合に注意することは何ですか?
A
不動産分与は、一般的には夫婦が居住していた持ち家やマンションなどを分けるということになります。1つの不動産を2人で分けるというのは現金を分けるのとは訳が違い、手続きや費用などの面でもややこしい作業がでてきます。
もっとも多いケースは、不動産そのものを分けずに、どちらかが不動産をとって、もう一方が不動産をとった方から現金を支払ってもらうという方法です。
この場合、不動産を所有した側は相手に現金を支払わねばならないため、金額的にはかなり大きな負担を背負うことになります。
離婚の時の不動産の時価が値上がりすることが確実ならば、現金をとるよりもトクなようですが、このご時世では土地の価格が下がる可能性も大きいと考えられますから、いちがいにどちらが有利であるとはいえないでしょう。
これに対し、ローンつきの不動産を売却して現金にかえる場合は、債権者との話し合いをはじめ、ローンを引き継ぐという大変な作業を続けていかなければなりません。
ローン付きの不動産を分与する際には、残りのローンをどうするか、また、取り決めた財産分与額よりも不動産の方が価値が高い場合には、その差額をどう補うかなどを話し合うことになります。
そして、取り決めがスムーズに行われたら、双方の合意に基づいて所有権移転登記の手続きを行います。

不動産分与で注意すべきこと
実際に不動産の分与を受ける時には、次のことに注意が必要です。

(1)所有権の移転登記をする
不動産の権利は登記をしてはじめて自分のものとなります。
不動産の分与を受けるときは、かならず所有権の移転登記の手続きをしなければなりません。
この手続きは、譲渡を受ける側だけでなく、譲渡する側の関係書類(権利証、印鑑証明書、実印を押した登記のための委任状など)も必要です。

(2)借地権や借家権の譲渡は地主、家主の了解を得る
借地上に建てられた不動産を譲り受ける、あるいは賃貸のアパートやマンションを譲り受けるなどの場合には、借地権の譲渡となります。
トラブルを未然に防ぐ意味でも地主の了解をとっておきましょう。





Q 財産分与にかかる税金について教えてください。
A 財産分与や慰謝料も課税される場合があります。
中には、給付される(もらう)側ではなく、給付する(渡す)側に課税されることもありますから、注意が必要です。

(1)給付する側に課せられる税金がある
財産分与や慰謝料に関しては、現金以外の不動産や株式などに対しては税金がかかります。
例えば5,000万円で購入したマンションが、時価8,000万円に値上がりしていた場合、この差額3,000万円は「譲渡益」となり、不動産を譲渡した側が譲渡益課税を負担することになります。
財産分与として妻にマンションを渡す場合、マンションを手にするのは妻であっても譲渡する夫が税金を支払わなければならないのです。
居住用不動産については特別控除制度などもありますから、税理士に相談してすすめたほうがいいでしょう。

(2)給付を受ける側に課せられる税金
不動産を譲り受けた側には不動産所得税が課せられますが、それ以外に関しては、贈与税などの税金を払わなければならないようなことはありません。
ただ、財産分与や慰謝料によって高額の現金を得たようなケースでは、税金を支払わなければならないこともあります。




こんなケースもあります。

Q 将来財産の財産分与-年金、退職金
私は、結婚20年になる主婦ですが、夫との離婚を考えています。
夫と離婚する場合、将来夫が受け取る年金や退職金も財産分与の対象になりますか?
A 財産分与の対象になります。

将来財産も対象に
従来離婚の際の清算の対象になる夫婦財産は、原則として離婚の時点で現実に存在している財産に限られていました。
ですから、年金や退職金は将来夫が取得する財産として、必ずしも財産分与の対象とはされていませんでした。
しかし、これらを財産分与の対象財産としている裁判例が現れ始め、定着しつつあります。
例えば、2年後に支払われる退職金につき、妻に2分の1を取り分を認めて財産分与の算定をしたケースがあります。
このほかにも将来の退職金につき、財産分与の対象とした判決が増えてきています。
ただし、定年退職がそれほど先でない夫婦に限られています。
また、年金についても、将来受給する年金を計算して、400万円の財産分与を認めた判決があります。
さらに、扶養的財産分与として夫の年金と妻の年金の差額の4割を妻の死亡まで払うことが命じられた判決、夫の年金額の約2分の1にあたる月14万5千円を妻が死亡するまで支払うことを命じた判決があります。





Q 将来の所得能力をどう評価するか
夫は今年医師になったばかりで、今まで私が働いて生活を支えてきました。
夫の女性関係が元で離婚することになりましたが、現在の夫の収入はあまり多くなく、貯金もありません。
離婚にあたってどの程度請求できますか?
A 他に財産がない場合、夫の資格、所得能力も財産分与の対象としてよいと思われます。

資格・所得能力の財産分与
これまでの財産分与では、夫婦が結婚生活中に築いた財産の清算を中心に考えられていましたので、離婚の時に財産がなければ、財産分与はあきらめざるを得ませんでした。
今後は、退職金のように将来の取得が期待できる財産も財産分与の対象に含めるケースが増えるでしょう。
この例の場合も、現在は財産がなく収入が低くても、将来は医師として高額の収入を得る可能性が高いわけです。
しかも、医師という専門資格を身につけられたのは、あなたの貢献によるところが大きいといえます。
したがって、このような場合には、所得を得られる可能性・能力を何らかの方法で評価して分与の対象としてよいと思われます。
アメリカでは、医師や弁護士などの専門資格を取得する課程で、配偶者の貢献があった場合にはその所得能力・資格を財産分与の対象とした裁判例もあり、多くの州で財産分与を定める際、考慮する要素に含めています。
所得能力の評価方法
ただ、退職金などと違って、金額がはっきりしないので、どのように額を計算するかが難しいところです。
例えば医師の平均年収の50%の何年か分として計算するという方法になるでしょうか。
また、どのように支払を受けるかも問題で、場合によっては分割払いとなることもやむを得ないでしょう。
いずれにせよ所得能力・資格を財産分与の対象とするのは、今ある夫婦財産の清算をするだけでは夫婦間に不平等が生じるときや、全く分ける財産がないときなどに限定すべきでしょう。






その他


Q 暴力を振るう夫と早く離婚したいのですが?
  結婚して16年になります。夫は短期な性格で、結婚当初から、ささいなことで私を殴ることが多く、年々ひどくなってきました。
私には、子どもを連れて出ても生活を立てていく自信がなく、ずっと我慢してきました。しかし、最近は頭蓋骨陥没のけがを負わせられ、このままでは殺されてしまうのではないかとさえ思うようになりました。私から離婚を言いだすと何をされるかわかりません。どのようにすれば離婚できるのでしょうか。
A 離婚は必ずできます。
多少の困難は伴うかもしれませんが、あなたの努力次第で必ず離婚して平穏な生活を得ることができるのだと、ぜひ自身と希望をもってください。

DV法(ドメスティックバイオレンス)を使う
暴力がひどい場合には、離婚手段と並行して、DV法(配偶者からの暴力の防止および被害者の保護に関する法律)を利用することをお勧めします。各県にある配偶者暴力相談支援センターや警察に相談し、裁判所に保護命令を申し立てると、退去命令(2週間の自宅からの退去)あるいは、はいかい禁止命令(6ヶ月間のつきまとい禁止)を命じてもらえます。
警察などのかわりに公証役場で暴力について認証を得た書面 を作成してもらい保護命令を得ることもできます。
別居の前に必ず準備を
いろいろな手続きを実行する前に、別居のための準備を十分しましょう。感情的に突然家を出ないで、今後の生活のためになるべく賢い周到な準備をしてからにしましょう。当面夫からの生活費が絶えても食べていけるだけのへそくりを貯めておいたり、裁判になったときに慰謝料や財産分与を算定するうえで、有利な証拠はきちんと集め安全な場所に保存しておくことをお勧めします。
たとえば、暴力を受け傷を負ったのなら、けがについての診断書を医者に書いてもらい、けがのあとを写真に残しておきます。DV法を使わずあなたが家を出る場合、出る間際に夫に告げるのもやむを得ません。あるいは、どうしても面と向かって言い出すのが怖くてできないならば、黙って出るということもやむを得ないかもしれません。ただしその場合でも、相手がパニック状態にならないように、せめて手紙を残してあなたが何を考えどのようにしようとしているのかを、ただちに相手に伝えておく努力をなさることをお勧めします。新しい住所を知らせるのが不安であれば、しばらく隠しておくのもやむを得ませんが、隠れてびくびくしていてもいつまで経っても安定した生活は得られませんから、落ち着けばなるべく早く住所は知らせる強さを持つようにしましょう。前記のはいかい禁止命令も有効に使いましょう。
要は、今までの暴力に脅えて泣いて絶えていたあなたとはもう違うのだということを、なるべく、早く相手にわからせることが、別居後の無用な暴力やいやがらせを回避するこつです。出るあてもないときのとりあえずの避難先については、各地の支援センター、福祉事務所に相談してください。別居して離れて落ち着いてみれば、少しずつ必ず強くなれます。





Q 別居中の生活費はいったいどうなるの?
  夫が一方的に別居していきました。私は無職で、わずかな貯金を取り崩して生活していますが、夫からは私と子ども二人の生活費が全く送られてきませんので、請求したいと思います。どうしたらよいですか?
A 家庭裁判所に婚姻費用負担の調停の申立てをします。

婚姻費用とは
問題はその金額ですが、別居ともなると、夫も別に住居を借りて自分の生活を維持しなければなりませんので、同居中の生活水準よりも低くなると考えた方がよいと思います。
別居の責任が当事者双方にあって、別居についてあなたにも責任がないとはいえないような場合には、双方の有責性の程度に応じて夫の婚姻費用の負担額が減額される場合もあります。
実際にどのように計算されるか検討してみましょう。夫の年収から所得税・住民税・社会保険等を控除した残りの金額が婚姻費用に回せる所得となります。ここから夫が職業上必要とする経費と住宅費等を控除した残りが通 常の生活費として使える金額です。
夫があまりに高い家賃を支払っているような場合や、あまりに高い必要経費を計算してきたような場合には、実際の収入に応じて調整を図ります。必要経費と住宅費を合わせて2〜3割程度が常識的な範囲でしょうか。また、夫の職業経費はどんな場合でも必ず控除するというものでもありません。





Q 夫がマザコンだという理由で離婚できるか?
  夫は、家庭内のことについて、何かというと私よりも母親に相談し、母親の言いなりで、家の購入などの大事なことまで、私の知らないところで決めてしまいます。私が夫から家事のやり方を批判された翌日、夫の母から私に同じことを注意する電話がかかってきます。マザコンであるということで離婚できるのでしょうか。
A マザコンである場合にも、それが普通の人なら絶え難いような程度のものであり、回復の見込みがない程度に破綻していると認められれば、「婚姻を継続し難い重大な事由」があるとして離婚が認められます。

協力義務違反とは
結婚してからも、配偶者よりも親との関係のほうを濃密なままにし、配偶者と協力し合う関係をつくろうとしないことは、夫婦としての協力義務に違反する行為です。かつ、思いやりのない態度であるとして、婚姻を継続し難い重大な事由(民法七七〇条一項五号)があると認められることがあります。離婚原因には明記されていませんが、五号の一般的破綻条項にあたる一つの典型例です。慰謝料も認められることがあります。
従来、妻と同居の姑の間がうまくいかないケースは、「親族との不和」として、離婚の典型例の一つとされてきました。そいういった事例もまだ少なくありませんが、夫と母親の濃密な関係によって妻が疎外感を味わうというのは、これとは少し異なっています。子どもの数が少なくなった最近、多くみられる事例です。夫がマザコンである場合だけに限りません。妻が、結婚してもいつまでたっても実家離れしない場合も同様です。
いずれにせよ、夫婦の関係を軸にせず、配偶者と人生のパートナーとしてかかわっていこうとはしない態度では、夫婦の信頼を築いていくことができません。離婚原因にあたるということができます。
ただし、相手が反省してやり直しを強く希望している場合、それでも離婚が認められるには多少の別居期間が必要です。ケース・バイ・ケースなので、一般論で何年間ということはできません。子どもを監護している妻からの請求のほうが、子どもを監護していない夫からの請求よりも早く認められやすいということは一般的にいえそうです。





Q いったいヘソクリは誰のもの?
  私はサラリーマンの夫の給料を節約してヘソクリを200万円ほどためましたが、これは全額私のものになりますか。
A ヘソクリを夫のものとみるか、夫と妻の共有財産とみるかによって結論が変わってきます。

夫婦別産制とは
夫婦の財産については別産制がとられていますので、当事者が自分の名前で得た財産は原則として各自の特有財産となり、いずれの財産か明らかでないものは共有財産と推定されています(民法七六二条)。
したがって、夫が外で働き、妻が家事・育児を分担しているサラリーマン世帯の場合、別産制を文字どおり解すると、夫が働いて得た収入は全部夫の特有財産になります。これは、妻にとって大変不利ですが、最高裁判所は基本的にこの考え方をとっています。
すなわち、夫の収入の2分の1につき、妻が家事労働により協力して得られた財産であるとして、妻の所得として所得税の申告をしたことに関し、別産制が男女平等に反するかどうかが争われた裁判で、「配偶者には財産分与請求権、相続権等が認められており、夫婦間で実質上の不平等が生じないよう立法上の配慮がなされている」との理由で、別産制は憲法違反ではないと判断しました。(最判昭和36年9月6日民集一五巻八号二〇四七項)
この考え方に立てば、夫の給料は夫の特有財産であり、これをもとにしたヘソクリも夫の財産ということになります。
実質共有とみる例もある
しかし、このような解釈では夫婦間の実質的公平は図れないとして、夫婦が協力して取得した財産は実質的に共有財産であるとする考えかたもあり、この立場に立つ裁判例もあります。
こちらの考え方に立てば、夫の給料は夫婦の共有財産であり、それを妻がやりくりして蓄えたヘソクリも共有財産ということになります。いずれにしてもいざ離婚ということになれば、少なくとも夫婦の財産の二分の一について、あなたに財産分与を求める権利がありますから、ヘソクリもこの一部として全額あなたが取得できる余地は十分あります。





Q どの国の法律で、どの国で裁判するのか?
  私(日本人)はドイツ人の夫とドイツで結婚しました。現在は夫婦とも日本に居住しています。離婚することになったんですが、ドイツでは裁判をするしかない、と聞いています。日本の法律による調停手続きでもいいのでしょうか。
A 結論から言えば、離婚をするのに裁判までする必要なく、日本の家庭裁判所での調停で足ります。

どの国の法律に従うのか
渉外離婚では、夫と妻の国籍が異なるので、それぞれの本国の法律が関係してきます。夫婦が居住する国が別の場合には、関係する法律はさらに増えます。離婚を許すか許さないか、裁判離婚以外の離婚を認めるか認めないか、離婚原因や親権者指定を夫婦平等に認めるかどうか、離婚原因がいわゆる有責主義をとるか破綻主義をとるか等々、離婚制度は国によってかなり違いがあります。その国の法律制度が適用されるかは、当事者にとって重大問題です。この適用される法律制度のことを準拠法といいます。
かつては、多くの国で「離婚の準拠法は夫の本国法」という基準がありました。どちらの国で裁判しても夫の本国法が適用され、妻の側が夫の本国法による裁判結果を受け入れていたのです。しかし、このような基準は両性の平等に反しますから、各国でも次々に「夫婦の常居所地法(ずっと共通に住んでいる国の法)」などに改正されてきてはいます。
本来は国際条約で合理的に基準を統一されるのが理想でしょう(たとえば扶養の問題については、国際条約で「扶養権利者の本国法」とされ、多くの国が参加しています)。ただし、各国での離婚についての法律制度自体が少しずつ共通になってきていますので裁判結果の差異も小さくなりつつあります。
また、法律制度の食い違いがある場合は、裁判する国としては、準拠法となる法律を、たとえば両性の平等に反するという理由でそのまま受け入れられないとして、その適用を否定することもあります。
どの国で裁判するか
また、どこの国が裁判をするか、という問題もあります。これを国際裁判管轄とか国際裁判籍とか言います。離婚について、夫の本国でも妻の本国でも、あるいは居住国でも裁判を受け付けるとなれば、裁判の食い違いも起きてきます。離婚の裁判は相手方の居住国でしか起こすことはできないと決められていれば、別居中の夫婦の間では一つの裁判しかあり得ません。
しかし、実際にはこのような形で統一されてはおらず、どの国も訴える者の居住国で訴えることを、例外的ではあれ認めているのが普通です。あなたの場合は、夫も日本に住んでいるのですから、日本の裁判所で手続できることははっきりしています。
離婚の国際裁判管轄は原則として被告の居住国である、とした最高裁判所の昭和39年判決(最判昭和39年3月25日民集一八巻三号四八六頁)があります。





Q 婚約を一方的に破棄された場合、慰謝料を請求できるのか?
  婚約者から、他の人を好きになったといって婚約を破棄されました。結納はまだ済ませていませんでしたが、友人らには婚約者として紹介してました。
慰謝料を請求できるのでしょうか。できるとしたら、その額はいくらくらいでしょうか。
A 慰謝料は請求できます。

婚約の成立
婚約の破棄に正当な理由がないときは、破棄した相手方に慰謝料を請求することができます。慰謝料の請求が認められるには、まず、すでに結婚の約束がなされていたことが必要です。なんとなく結婚を意識していたというだけでは、約束があったということにはなりません。ただし、契約書が必要なわけではありません。二人だけで口約束していたような場合でも合意は成立しています。しかし、相手が結婚の約束はしていなかったと否定するような場合には、第三者からみても合意があると認められるような、客観的な証拠が必要です。
結納を交わしていたり、婚約指輪ももらっていたり、友人や親など第三者に婚約者として紹介していたりすれば、婚約の成立は認められます。
正当な理由とは
次に、破棄について正当な理由がない場合でなければ、慰謝料は認められません。他の人を好きになったからという場合は正当な理由があるはずとはいえず、慰謝料請求は認められます。
判例で正当な理由がないと判断されたのは、1)性格の不一致、2)容姿に対する不満、3)年回り、4)親の反対、5)方位 が悪い、6)家風に合わない、7)破棄された婚約者側の親に前科があるなどです。
性格の不一致が正当な理由にはあてはまらないという判断は、厳しいかもしれませんが、判例で慰謝料を認めるのは、ある程度結婚への準備がなされていた場合ですから、やむを得ないかもしれません。
慰謝料額はいったいいくら?
慰謝料額は多くはありません。話合いでまとまる場合でも、数10万円から数100万円までさまざまですが、はっきりした基準はなく、精神的な苦痛についての損害額としては、せいぜい100万円前後と考えておいた方がいいでしょう。
しかし、破棄によって、妊娠していた子どもを中絶した場合には、少し多めに請求できるでしょう。すでに結婚のための準備として、家具などを購入していたり、挙式費用を支払っている場合には、実損害額も請求できます。
勤務先を結婚のために退職してしまっていた場合には、逸失利益も請求できます。すでにもらった結納は、相手に破棄の正当な理由がない場合には、返す必要はありません。
慰謝料請求の意味は
婚約破棄の慰謝料は、実際には手切金的なものも少なくありません。金銭を受領することで、つらい過去をふっきることができるのなら、意味があるかもしれません。しかしあまり多くもない金銭を要求することで、自分のプライドや値打ちをもっと下げてしまうかもしれません。
一度好きでつきあった相手なのであれば、思い出をきれいに残す方法も考えてみられることをお勧めします。





Q 離婚届を出す前に離婚の意思が変わった場合は?
  協議離婚届書にいったん署名・捺印して、夫に渡しましたが、養育費や財産分与や慰謝料についても何も決めていませんので、離婚の条件を決めてから出してほしいと思います。
しかし、夫はいったん離婚届に署名・捺印をしたのだから戸籍係に提出すると言っています。どうしたらよいのでしょうか。
A  

不受理届
すぐに本籍地の戸籍係に協議離婚届書が提出されても受理しないでほしいという書面を出してください(不受理届)。
そうすれば、夫が協議離婚届書を提出しても受理されません。この不受理届は提出後6ヵ月以内は離婚届の受理を阻止できます。さらに、阻止を延長したい場合には、また同じ不受理届を提出する必要があります。
いったん離婚届書に署名・捺印をしても届書が戸籍係に提出されるまでは、離婚をとりやめることはできます。
離婚は戸籍係に離婚届があってはじめて離婚の効力が生じるとされているからです。離婚の意思がなくなったことを夫に伝えておいただけでは不十分です。不受理届が出されていないと、戸籍係は協議離婚届に必要な事項(当事者の署名・捺印・親権者の指定、成人で二人の証人の署名・捺印)が記入されていれば受理しますから離婚の効力が生じてしまいます。
離婚の無効
しかし、そのような場合でも、届出のときにはあなたは離婚の意思がなかったのですから届け出た離婚は無効です。離婚が無効であることを証明できれば、戸籍を訂正することも可能です。夫が離婚の合意はなかったことを認めている場合であれば、家庭裁判所に調停の申立をして、離婚は無効であるとの合意に相当する審判をしてもらい、解決することもできます。夫があくまでも争って話合いで解決できない場合には、地方裁判所に離婚無効確認の訴訟を起こさなければなりません。





Q 離婚後の生活は?
  無職でこれといった技術も資格もないので、離婚しても、子どもを抱えて生活できるかどうか不安です。離婚後にはどのような社会保障があるのでしょうか。
A ひとりで悩まずにまずは住宅地の福祉事務所の相談員に相談してください。
婦人福祉施設については、区市町村で発行している「便利帳」などに紹介されていますので参考にしてください。

生活に困ったとき
児童扶養手当は、母子家庭に対し、国から支給される手当で、従来は母の所得に応じて二段階の手当て額となっていましたが、2002年8月1日より大きく制度が変わりました。一部支給額が所得に応じて細かくなったこと、父からもらう養育費(ただし子ども名義の口座に送金されたものは算入されません)の8割が母の所得に算入されることなどが変わった点です。(東京都の場合には児童育成手当の支給もあります。)
仕事に困ったとき
子どもがいることで働く条件が制約されたり、中高年女性、中途就職という不利な条件があって、安定した職場に就職することがとても困難です。そこで、こうした人を対象に次のような職業訓練の場所があります。

・職業安定所では、職業の紹介はもちろん、必要な場合には公共職業訓練の斡旋や職業訓練手当ての支給もあります。

・高等職業技術訓練専門学校で技術を身に付けることができます。中高年女性の職業訓練科目としては、調理、事務、福祉ヘルパー、ビルクリーニング、ミシン縫製、経理事務、販売等があります。(申し込みは職業安定所へ)

・簿記、編み物、ペン習字、着付け、ホームヘルパーなどの講習を無料で受けられます。(問い合わせは母子福祉協議会へ)
住宅に困ったとき
・母子生活支援施設の利用 母子生活支援施設は児童福祉法による施設で全国に318施設あります。母子世帯のうち母子生活支援施設を利用しているのは0.5%です。母子世帯の9%(全国母子世帯等調査結果 ・厚生省児童家庭局1993年)が母子生活支援施設の利用を希望しています。
・公営住宅の優先入居 市営住宅などの公営住宅では、母子家庭のために抽選ではなく住宅に困っている程度の高い人から入居できるところもあります。
・母子アパート利用 母子世帯だけが入れる公営住宅があります。
・家賃の減免処置もあります。
お金が必要なとき(貸付制度)
・母子福祉資金の貸付制度

・お店を始めたい場合や店の改装などで資金が必要という場合の貸付

・子どもの就学や就職にお金が必要という場合の貸付

その他にもいろいろな名目で貸付が行われていますので、問合せは区市町村の福祉相談係へ
生活の援助
・JR通勤定期の割引

・水道料の減免

・所得税や住民税の軽減措置東京都では、医療費助成や家事援助のサービスもあります。

東京都では、医療費助成や家事援助のサービスもあります。
親子でゆっくりしたいとき
母子休養ホームを利用するのも楽しいことです。無料か低料金でレクリエーションを楽しんだり温泉地などの休養施設を利用できます。





Q 離婚と自宅のローンは?
  私が現在子どもと住んでいる夫名義の自宅は、結婚後買ったものでまだローンが残っています。夫はすでに家を出ていって、離婚にあたっては自宅をもらいたいと思いますが、ローンはどうなりますか。
A ローンは負担付きのまま財産分与で名義変更をしてもらい、以後あなたがローンを支払ってもらうように取決めをするいずれかになります。

夫がローンを払っていくとき
自宅を財産分与の対象とする場合、まだ購入時に借り入れたローンが残っていることが多く、このローンの処理が問題になります。
離婚後も引き続き、夫にローンを払ってもらうようにできれば一番よいのですが、このような合意をとりつけるのは困難なことが多く、また途中で約束どおり払ってくれなくなると結局自宅に抵当権がついている関係で、あなたが支払を余儀なくされる可能性も大いにあります。このように、夫が引き続き支払うときは不払の危険が大きいので、約束は必ず公正証書か家庭裁判所の調停調書にしておきましょう。
あなたがローンを払っていくとき
あなたがローンを払うとき、債務者の名義をあなたに変更するには債権者である銀行や住宅金融公庫の了解をとる必要があります。銀行では一般的に債権者を変更するのが難しく、いったん全額を返して借り直す借り替えの手続きが必要です。夫に比べればあなたの収入がだいぶ少ない場合などには借り替えできないこともあります。
公庫では、収入の基準を満たしていれば、名義変更が可能です。もし、夫が承諾するのであれば、債務者は夫のままとして事実上はあなたが支払っていく旨を取り決めをしておくことも可能です。ローンの名義を夫にしたままにしても、不払いになった場合、自宅が抵当に入っているのですから、最終的には自宅が返済の対象となります。
あなたがローンを負担するときは、ローンを負担するときは、ローン分の差し引いた評価額を財産分与としてもらったということになります。(たとえば時価5000万円の土地建物にローンの残債が2000万円あったとすると、財産分与の価額は実質3000万円です。)





Q 家庭内別居は別居とみなされるか?
  夫とは大分前から仲が悪く、ここ数年はほとんど互いに口もききません。いっしょに暮らしてはいますが、食事も洗濯も別々です。別居したくてもマンションは半分私の名義ですし、他に住むと家賃もかかり私の収入では生活が大変ですので、このままにしています。家庭内別居も、別居期間に含まれるのでしょうか。
A 家庭内別居が別居とみなされるか否かと考えるよりも、家庭内別居が続くと破綻していると判断されることがあると覚悟しておきましょう。

別居とは
別居とは、文字どおり別々に住んでいることを意味しています。しかし、日本では、住宅事情が悪いことや女性の経済的自立が困難なため、夫婦の関係は破綻していても法的離婚に至らず、家庭内別居のままでいることが珍しくありません。同じ住居で暮らしていても、ほとんど口をきかない食事も洗濯も別々、寝室も別にして鍵をかけている、といったような場合です。
こういった家庭内別居の場合、生活の分離がはっきりしており証明されれば、破綻の表象として別居に含まれることがあり得ます。あるいは、別居にあたるか否かにこだわらなくても、そうした関係の悪さから、破綻しているとみなされ、離婚原因になることがあります。これは逆に、相手を大事にしていないのに、別居していないから離婚などあり得ないとたかをくくっていてはいけないということです。
また、不貞との関係では、家庭内別居をしていても、完全に別居をしていないうちに不貞行為が始まると、破綻後の不貞とはみなされにくく、有責配偶者とされがちです。離婚をしたい場合は、なるべく早く完全な別居に踏みきったほうがよいでしょう。





Q 性の不一致(性交拒否)は離婚の理由になるか?
 
私はセックスがあまり好きではなく、夫から求められても何度か断り、夫も断られるとそれ以上強くは求めてきませんでした。そのうちにだんだん回数が減り、3年ほど前から完全にセックスレスの状態です。それでも、普段の生活ではおおむね和やかに暮らしていたので、私は満足していたのですが、突然主人から「性生活の不満から今では完全に気持ちが冷めてしまったので、離婚したい」と言われました。応じなければならないでしょうか。
A 離婚がやむを得ない場合もありますのでなるべく率直に話あってみましょう。

セックスレスと結婚生活
結婚生活のあり方は人さまざまであり、どのようでなければならないというものはありません。セックスレスの状態であっても、夫婦の双方がそれで満足し婚姻生活を続けたいと思っているなら、何ら問題はありません。
問題は双方の希望、認識にずれがある場合です。夫婦であっても、人はそれぞれ性についての自己決定権を持っています。妻であるからといって望まない性交渉に無理に応じなければならない義務はありません。ただし、一方が性交渉を望まず、他方は望んでいるという場合には、セックスについてだけでなく、次第に夫婦関係全般にひびが入っていくことがあります。
あるいは、逆に性生活以外の日常生活の中で、和やかな関係がつくれないために、性生活が途絶えてしまうということもあります。女性の中には、性欲を持つことをはしたないと考えたり、受身でいることが女性らしさだと教え込まされてきたため、自然な欲求を自分の中に閉じ込めてしまうことが身についてしまっている人がいます。
このため、愛情表現ができなかったり、あるいは性的欲求自体を感じなくなってしまうことすらあります。性交渉を断り続けることは自由ですが、他方の配偶者は、自分は愛されていい、拒否されていると受け止めることがあるというとこを知っておく必要があります。あなたからみれば、平穏な生活で満足であったとしても、夫は、これでは夫婦とはいえない関係だと考えるようになり、あなたはそのギャップに気づかずにきてしまったのでしょう。
婚姻を継続し難い重大な事由
判例は、男女いずれの場合を問わず、性交不可や性交渉拒否の場合には相手からの離婚を認め、「婚姻が男女の精神的・肉体的結合であり、そこにおける性関係の重要性に鑑みれば、病気や老齢などの理由から性関係を重視しない当事者間の合意があるような特段の事情のない限り、婚姻後長年にわたり性交渉のないことは、原則として婚姻を継続し難い重大な事由(5号の一般的離婚原因)に該るというべきである」と述べています。ただし、性交渉がなかったということだけで判断されるのではなく、婚姻中の生活全般をみて、破綻しているか否かが判断されます。セックスレスが即「破綻」の認定につながるわけではありません。
性交渉を拒否されていた側から慰謝料の請求を認めた判例もあります。もちろん話し合って、修復の努力を最後までなさるとよいと思います。
努力が実るかもしれません。なお、長くセックスレスでも円満だったのに突然不自然に離婚要求がなされたという場合には、相手に異性関係ができたのかもしれません。いずれにせよ、率直に聞いてみましょう。





Q 夫が仕事人間である場合にも離婚請求は可能か?
 
夫は仕事人間で、毎日帰宅は夜の12時前後、土日も接待ゴルフなどに出かけることが多く母子家庭のような毎日でした。会話もだんだん少なくなり心はバラバラで、そんな関係で性交渉を求められても苦痛に感じるようになり、2年前に家を出ました。夫は、「反省しているから戻ってほしい」と言います。しかし戻る気持になれません。離婚できるでしょうか。
A 離婚は可能です。
事情によっては離婚が認められるいは少し別居期間が必要とされるかもしれません

仕事のために家庭をおろそかにする場合
以前は、仕事をすることは、夫として評価はされても非難を受けることはありませんでしたから、仕事のために家庭をおろそかにしていたとしても、このような理由では離婚はできないと思われていたものでした。
しかし、仕事中心で家庭のことをあまり構わず、多少話し方や態度も亭主関白な夫、長い間淋しいと感じてきたけど、ある時期からは心が離れすぎて離婚したいと思うようになる妻、こういう例は珍しくありません。
妻が食事や洗濯をしてくれ特段もめごとがなければ、それで夫婦の関係としてもよしとしてきた夫と、もっと心の深い交流を求める妻の間では、夫婦関係に求めるものが異なっているかのようです。もちろんこういったことは男女が逆でも起こり得ます。
破綻しているか否か
夫が仕事中心であるといっても、その程度はいろいろです。社会生活上やむを得ない程度のものであれば、夫にも特段の非はないとされることもあります。
しかし、だからといって離婚請求が認められないのではありません。あなた側にも特段の非難を受けるような事情がなく、淋しい生活が苦痛であったことが理解され、あなたの離婚意思が堅く別居期間がある程度経過している場合には、離婚は認められます。
ただし、夫に慰謝料請求をすることは難しいかもしれません。一方、仕事中心の生活の程度がひどければ、夫の側の協力義務違反が認められ、破綻の主たる原因があるとして慰謝料まで認められることもあります。ただし、単身赴任をしている夫婦でも仲のいい夫婦はいくらでもいるのですから、夫婦の関係は、もともと一緒に過ごす時間の長さだけの問題ではないのです。心が離れてしまったことについて、大なり小なり、双方に問題があったとされると考えておいたほうがよいでしょう。



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